海外事業者も規制対象に!~製品安全4法の改正ポイント

法律知識

令和7年12月から、製品安全4法(電気用品安全法・消費生活用製品安全法・ガス事業法・液化石油ガス法)の規制対象に「海外事業者」が加わります。これにより、海外から直接日本国内に製品を販売する事業者も、一定の安全基準や届出義務を負うことになります。
本記事では、制度改正の内容について解説します。

改正の概要と背景

近年、オンラインモール等を通じて、海外事業者が日本国内の消費者に直接製品を販売するケースが増大しています。
しかし、これらの製品が日本の安全基準を満たしていない場合、事故や健康被害のリスクが心配されます。
こうした背景から、製品安全4法の改正を行い、海外事業者にも国内事業者と同様の規制を課すこととなりました。

主な改正ポイント:

  • 海外事業者が「特定輸入事業者」として届出義務を負う
  • 技術基準への適合確認が必要
  • 国内管理人の選任が義務化

「特定輸入事業者」とは?

「特定輸入事業者」とは、海外から直接日本国内の消費者に製品を販売する事業者で、製品安全4法の対象製品を取り扱う者を指します。

対象となる製品例:

  • 電気用品(電気ケトル、充電器など)
  • 消費生活用製品(乳幼児用玩具、ライターなど)
  • ガス機器、LPガス関連製品

従来は、国内事業者が規制対象でしたが、今後は海外事業者も対象となり、国内事業者と同様の安全確認と届出が求められます。

特定輸入事業者に求められる義務

特定輸入事業者には、以下の義務を果たす必要があります。

技術基準への適合確認

製品が日本の技術基準に適合していることを確認する必要があります。

  • 自主検査(事業者自身による確認)
  • 適合性検査(第三者機関による検査)(特別特定製品などの場合)
  • 技術基準に適合した製品にPSマークを表示して販売しなければなりません。表示義務に違反した場合、違反製品の回収や販売停止などの処分の対象となります。
  • 重大製品事故が発生したことを知った場合、10日以内に消費者庁に報告しなければなりません。

国内管理人の選任

日本国内に居住する個人または法人を「国内管理人」として選任し、届出・連絡・製品回収等の対応を担わせる必要があります。

  • 海外事業者と国内管理人の間の契約書に「経済産業大臣との連絡体制に関する事項」等、定められた内容が明記されている必要があります。

経済産業省への届出

事業者情報、製品情報、検査方法、国内管理人情報などを届出る必要があります。

玩具規制の強化ポイント(特に乳幼児用)

玩具に関する規制も強化され、特に乳幼児向け製品の安全性確保が重視されています。

主な改正内容:

  • 対象年齢の表示義務(例:「3歳未満対象」など)
  • 誤飲・窒息リスクへの対応(部品サイズ・素材の制限)
  • 表示内容の日本語表記義務

これにより、海外製の玩具を日本国内で販売する場合、表示や検査の対応が不可欠となります。

届出について

届出は電子申請となります。以下の3つの方法が用意されています。

  • 海外事業者によるe-Govを通じた電⼦申請
  • 海外事業者によるメール等を⽤いた電⼦申請
  • ⽇本国内の代理⼈による保安ネットを通じた代⾏申請

【代理人について】
行政書士以外の方が、業として代理で書類の作成を行うことはできません。
無償で、かつ、委任状や同意書がある等、代理性が認められる場合に、代理による届出が認められます。

届出に不安がある場合は、当事務所にてご支援いたしますので、お気軽にお問合せください。

関連リンク

海外事業者が製品安全4法の規制対象となります (METI/経済産業省)
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