日本での留学生活が始まると、「アルバイトをしてみたいな」「生活費がもう少し欲しいな」と思う人は多いと思います。
また、アルバイトは、日本の社会や文化を知る良いチャンスにもなります。
しかし、留学生が働くときには、日本の法律で決められたルール(資格外活動許可)があり、知らないまま働くと大きなトラブルになることもあります。
この記事では、資格外活動許可の基本から、やってはいけない働き方、よくあるトラブルまで、やさしい日本語で判りやすく説明します。
「日本で安心してアルバイトをしたい」という留学生のみなさんに、ぜひ読んでほしい内容です。
また、私は行政書士として、資格外活動許可の申請や在留資格の相談など、留学生のみなさんの手続きのお手伝いもしています。
「この働き方は大丈夫?」「申請の書き方が不安…」というときは、どうぞ気軽に相談してください。みなさんが安心して日本で生活できるようサポートします。
資格外活動許可とは?
資格外活動許可(しかくがい かつどう きょか)は、「留学」の在留資格を持つ人が、勉強以外の活動をするときに必要な特別な許可です。とくにアルバイトをしたい留学生にとって、とても大切なルールになります。
留学生は、原則として「勉強」がメイン
「留学」の在留資格は、学校で勉強することが目的です。
そのため、「勉強のじゃまにならない範囲でなら、アルバイトもOKですよ」という考え方をしています。
ただし、事前に許可をもらわなければいけません。
なぜ許可が必要なのか
資格外活動許可が必要な理由は、次の2つです。
- 勉強を続けられる生活リズムを守るため(働きすぎを防ぐ)
- 留学生をトラブルから守るため(働いてもよい仕事を理解し、違法な仕事に巻き込まれないように)
許可があるとできること・できないこと
資格外活動許可があると、次のようなアルバイトができます。
- コンビニ、スーパー、飲食店
- 通訳・翻訳、語学講師
- 清掃の仕事 など
ただし、どんな仕事でもOKではありません。
キャバクラやバー、パチンコ店、ゲームセンター、性風俗店などの仕事は、許可があっても働けません。
許可がないまま働くとどうなる?
許可がないまま働くと、次のような大きな問題が起こる可能性があります。
- 在留資格の更新がむずかしくなる
- 退去強制(強制送還)になることがある
- アルバイト先に迷惑がかかる(許可がない人を雇うと不法就労助長罪(ふほうしゅうろう じょちょうざい)という罪に問われます)
「少しだけなら大丈夫」と思って働くと、あとで大きなトラブルになることがあります。
資格外活動許可をもらうための手続き
資格外活動許可をもらうための手続きで、必要なポイントをやさしい言葉でまとめます。
どこで申し込むのか
申し込みは、入国管理局(にゅうこく かんりきょく/入管)で行います。
あなたが住んでいる地域を担当する入管に行けば大丈夫です。
山口県だと、以下の2ヶ所があります。
- 広島出入国在留管理局 周南出張所
- 広島出入国在留管理局 下関出張所
いつ申し込むのか
- アルバイトを始める前
- 在留期間の更新のときや在留資格の変更のとき(変更申請・更新申請と一緒に出すこともできる)
必要な書類
申請に必要な書類はとても少なく、次の3つが基本です。
- 資格外活動許可申請書(入管でもらえる/入管のサイトからダウンロードも可)
- 在留カード(コピーではなく原本)
- 旅券または在留資格証明書
申請の流れ
手続きの流れは次のようになります。
また、申請は無料です。
- 入管で申請書を提出する
- 入管の職員が内容を確認する
- 許可が出ると、在留カードの裏面の資格外活動許可欄に「原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」などが記載されます。
- 在留カードの裏面の資格外活動許可欄の記載が終わると、アルバイトができるようになる
どれくらい時間がかかる?
地域や時期によってちがいますが、2週間~2ヶ月かかるようです。。
混んでいる時期(4月・10月)は、時間がかかることがあります。
アルバイトできる時間のルール
留学生がアルバイトをするときは、「どれくらい働けるか」について、はっきりした決まりがあります。これは、勉強がメインの生活を守るための大切なルールです。
1週間に働ける時間は「28時間まで」
資格外活動許可がある留学生は、1週間に28時間までアルバイトができます。
- 28時間は「1つのアルバイト」ではなく、全部のアルバイトの合計
- 28時間をこえると、ルール違反になり、在留資格の更新がむずかしくなることがあります
長い休み(夏休み・冬休み・春休み)は「1日8時間まで」
学校が決めた長い休みの期間は、1日8時間まで働くことができます。
- 「長期休暇」とは、学校が正式に決めた休みの期間
- 授業がある週は、ふつうの「28時間ルール」が適用される
深夜のアルバイトは注意が必要
法律では、18歳未満の人は深夜(22時〜翌5時)の仕事ができません。
- 22時以降の飲食店
- 夜間の工場
- 深夜のコンビニ
18歳以上でも、学校の規則で深夜のアルバイトが禁止されているかもしれません。学校のルールも必ず確認してください。
時間オーバーがなぜ危ないのか
- 「勉強より働いている」と判断され、在留資格の更新が通らなくなることがある
- アルバイト先にも迷惑がかかる
- 悪質と判断されると、退去強制(強制送還)になることもある
時間管理のコツ
- シフトを入れる前に、自分の「今週の合計時間」を確認する
- 2つ以上のアルバイトをする場合は、必ず「合計時間」をメモする
- シフトが多すぎるときは、勇気を出して「減らしてください」と伝える
やってはいけないアルバイト
留学生がアルバイトをするときには、「してはいけない仕事」が決められています。これは、日本の法律を守るため、そして留学生が危険な仕事に巻き込まれないようにするための大切なルールです。
ここでは、特に注意が必要なポイントをまとめます。
法律で禁止されている仕事
資格外活動許可があっても、次の仕事は絶対に働いてはいけません。
- 風俗店(キャバクラ、ホストクラブ、マッサージ店の一部など)
- パチンコ店、ゲームセンター
- アダルトショップ・アダルトビデオ制作
これらは「風俗営業」や「接待をともなう仕事」と呼ばれ、留学生は働くことが禁止されています。
危険な仕事
資格外活動許可でできる仕事は、マニュアルに沿った単純作業や飲食店での作業などです。
次のような仕事は、基本的にできません。
- 高い場所での作業(屋根の上、足場の上など)
- 建設機械などを使う仕事
個人事業主(こじんじぎょうぬし)として働けない
最近は、SNSやアプリを使った仕事が増えていますが、次のような働き方は注意が必要です。
- 「個人事業主(フリーランス)として働いてください」と言われる
- 「業務委託(ぎょうむいたく)」という契約で働く
留学生は、会社に雇われる形(アルバイト)でしか働けません。
個人事業主として働くことは、資格外活動許可では認められていません。
よくあるトラブル例
- 「この仕事は大丈夫」と言われて働いたら、実は風俗営業だった
- シフトが多すぎて、気づいたら28時間をこえていた
- 個人事業主として契約させられ、入管に違反と判断された
どれも「知らなかった」ではすまない問題です。
安全に働くためのポイント
- 仕事内容がよく分からないときは、契約する前に必ず確認する
- 「楽に稼げる」「高い時給」などの話には注意する
- 少しでも不安があるときは、学校や専門家に相談する
資格外活動許可がないまま働いた場合のリスク
資格外活動許可を持たずにアルバイトをすると、留学生にとってとても大きな問題になります。「少しだけなら大丈夫」「友だちがやっているから平気」と思うかもしれませんが、無許可で働くことは法律違反です。
ここでは、実際にどんな影響が出るのかを整理します。
在留資格の更新がむずかしくなる
無許可で働いていたことが判ると、次の更新で問題になることがあります。
- 「ルールを守っていない」と判断される
- 「勉強より働くことを優先している」と見られる
- その結果、更新が不許可になるケースもある
更新が不許可になると、日本での生活を続けることができなくなります。
退去強制(強制送還)になることがある
無許可で働くことは、入管法の違反です。悪質と判断された場合、次のような処分になることがあります。
- 在留資格の取消し
- 強制退去(日本から出なければならない)
- 強制退去になったら、最長5年間、日本に再入国できなくなる
学校にもアルバイト先にも迷惑がかかる
無許可で働いていることが発覚すると、本人だけでなく周りにも影響します。
- 学校が入管から指導を受けることがある
- 学校が「適正校(優良な学校)」の指定を外されることがある
- アルバイト先が罰則を受けることがある
自分だけの問題ではなく、周りの人にも迷惑がかかることを知っておく必要があります。
将来の進学・就職にも影響する
無許可で働いた記録は、将来の手続きにも影響します。
- 進学手続きで不利になる
- 卒業後、日本の企業に就職するときに、在留資格の変更が通りにくくなる
- 永住申請や家族滞在など、将来の申請にも影響する
一度の違反が、長い期間あなたの人生に影響することがあります。
「知らなかった」ではすまない
留学生は、ルールを理解しているという前提です。
- 「説明を読んでいなかった」
- 「友だちに大丈夫と言われた」
- 「少しだけ働いただけ」
これらは理由になりません。ルールを知らないまま働くことは、非常に危険です。
まとめ:安心してアルバイトするために
留学生が日本でアルバイトをするためには、ルールを知ることと、自分を守る行動をとることがとても大切です。
大切なポイントのふりかえり
- アルバイトをするには、資格外活動許可が必ず必要
- 働ける時間は、1週間28時間まで(長い休みは1日8時間まで)
- 風俗店や危険な仕事など、働いてはいけない仕事がある
- 個人事業主として働いてはいけない
- 無許可で働くと、在留資格の更新ができなくなることや、退去強制になることもある
安心して働くために
アルバイトは、日本での生活を支え、社会を知る良い経験にもなります。
でも、そのためには次のことを心がけてください。
- わからないことは、必ず確認する
- 不安な仕事には近づかない
- シフトや契約内容を自分で管理する
- 困ったときは、学校や専門家に相談する
最後に:行政書士としてお手伝いできること
日本での留学生活は、勉強だけでなく、アルバイトや友だちとの時間など、たくさんの経験ができる大切な期間です。
留学生のみなさんが安心して日本で生活し、勉強に集中できるように、行政書士として次のようなお手伝いができます。
- 資格外活動許可の申請サポート
- 在留資格の更新や変更の相談
- アルバイトに関するトラブルの予防アドバイス
- 契約内容や働き方についての確認
- 入管手続き全般のサポート
「この働き方は大丈夫?」「申請の書き方がわからない」など、どんな小さなことでも気軽に相談してください。
相談は最初の1時間が無料です。
安心して働ける環境づくりをお手伝いします。
