高齢化社会が進むいま、家族が連携して資産管理を行う重要性が高まっています。
「家族サポート証券口座」は、そんなニーズに応える新しい仕組みで、日本証券業協会が2025年2月に発表した新しい制度です。
家族サポート証券口座とは?
本人の証券口座の運用を家族がサポートできるようにした仕組みです。名義はあくまで本人のままで、家族の意思に基づくサポートが可能です。
《主な特徴》
・資産の運用・管理を家族が支援
・委任契約(公正証書)に基づいて運用をサポート
メリットは?
- 高齢者の安心・・・・認知機能の低下や入院時にもスムーズな資産管理
- 相続・承継対策・・・資産の全体像が把握でき、将来の相続に備えやすい
- 金融教育の機会・・・親子で資産形成を学ぶきっかけに
- 家族の関与・・・・・資産形成を”家族で共有する”という新たな価値観を促進
家族サポート証券口座の手続きの流れ
① 事前相談(証券会社との面談)
- 本人・家族代理人・証券会社の三者で事前相談を実施
- 代理人の適格性(配偶者・子・孫など)を確認
- 運用形態(管理型/管理+運用型)を選択
- 運用対象商品(株式・債券・投資信託など)の範囲を決定
②契約締結(公正証書による委任契約)
- 委任契約書は、証券会社が提供する契約書ひな型をもとに作成
※証券会社により異なる場合があります。 - 契約内容には、代理権の範囲・開始条件・運用方針などを明記
- 本人と家族代理人が公証役場で委任契約を公正証書化
- 証券会社に利用申込書を提出。
提出資料の例:利用申込書兼代理人届、委任契約書(公正証書)の写し、戸籍謄本・住民票など
③代理取引開始の申請
- 本人の判断能力が低下した際、代理人が「代理取引開始届」を提出
- 証券会社が内容を確認し、代理人による取引が開始
- 本人名義の口座で、売却・出金・運用が可能に(ただし制限がある場合があります)
行政書士がサポートできること
- 委任契約書の作成支援
信頼できる家族による資産サポートには、明確な契約が欠かせません。契約書の作成や内容の整備は行政書士の得意分野です。
公証役場での公正証書の作成支援もお任せください。 - 任意後見制度や家族信託との比較・提案
高齢者をサポートする制度とはいえ、それぞれで目的やできることが異なります。
それぞれの制度を比較しながら、適切な制度の選択を支援します。 - 書類の説明・同行支援
証券会社との手続きに際し、契約内容の理解補助や相談への同行など、きめ細やかな対応が可能です。
まとめ
「家族サポート証券口座」は、新しい制度で日本証券業協会のホームページによると2025/7/14現在、今村証券様だけがサービスを開始している様で、各社からサービスが出揃うには、もう少し時間がかかりそうです。
他の証券会社様では、独自で似たようなサービスを提供されているところもある様ですので、これらのサービスと任意後見制度等との違いのご相談でも構いませんので、お気軽にお問合せください。