これから数回に渡って、遺言・相続に関するトピックを書いていこうと思います。
私の父親も遺言書を残さずに他界しました。
私の場合は相続人が多くないこともあって、特に問題にはなりませんでした。
この先、どこかから遺言書が出てくる可能性もありますが…
相続人全員の同意があれば、遺言書と異なる相続をすることができるので、おそらく今のままになるんじゃないかと思います。
まずは、一般的に遺言書がない場合、どのようになるのか整理してみましょう。
相続人全員で遺産分割協議をする
相続人全員で遺産をどのように分けるか話し合いをします。
相続人全員で行うことが必要で、一人でも欠けるとその遺産分割協議は無効になります。
※相続人を把握するには、戸籍を調べていきます。
まず、亡くなられた方(被相続人)が生まれてから亡くなるまでの戸籍を全て取得します。
そして、法定相続人に該当する方ががいらっしゃれば、その方の相続開始時点から現在までの戸籍を取得して、生存していれば相続人となります。
人数が多い場合や本籍地の移転があった方の場合、戸籍を取得するだけでも手間がかかる作業となります。こういった作業も私ども行政書士がお手伝いできますのでお声掛けください。
ほとんどの場合、遺産分割協議では、法定相続の規定をベースに話し合いをされているのではないでしょうか。
法定相続の規定は以下のようになります。
- 配偶者:常に相続人となります。
- 第1順位(直系卑属):子、孫(代襲相続)
配分:配偶者1/2、子1/2 - 第2順位(直系尊属):父母、祖父母(代襲相続)
配分:配偶者2/3、父母1/3 - 第3順位(傍系血族):兄弟姉妹、甥・姪(代襲相続)
配分:配偶者3/4、兄弟姉妹1/4
※法定相続人で相続する場合、法定相続情報証明制度を利用することができます。
法務局ホームページ 「法定相続情報証明制度について」
本制度を活用することにより、法定相続情報一覧図が作成され、不動産登記の名義変更や預貯金の解約に必要な以下の書類の代わりとして利用できます。(一部金融機関では、法定相続情報一覧図では対応してくれないこともあるようですのでご注意ください。)
・被相続人の出生~死亡までの戸籍または除籍謄本
・被相続人の住民票除票
・相続人全員の相続開始以降の戸籍謄本
・相続人全員の住民票
法務局の管轄が異なる不動産がある場合や複数の金融機関に口座がある場合、それぞれで書類を揃える必要がありますが、その手間を省くことができます。
私ども行政書士も法定相続証明制度申請の代理人となることができます。制度をりようしたいけれども忙しくて時間が取れないという方は是非ご相談ください。
遺産分割協議がまとまらなかったら?
遺産分割協議がまとまらないこともあるようで、以下のようなパターンが予想されます。
- 相続財産に不動産が含まれていて分割方法が合意に至らない
不動産現物で相続したい人と現金化して相続したい人で折り合わないケースや、ある相続人が不動産全てを相続し、他の相続人に相当額の対価を支払う場合、対価が払えないケースなど - 相続人同氏が疎遠であったり、仲が悪い
亡くなられた方の配偶者と亡くなられた方の兄弟姉妹(義理の兄弟姉妹の関係にあたる場合)や再婚歴があり前婚と後婚の家族間で協議する場合
遺産分割協議がまとまらない場合、どうすればいいの?ってところですが、弁護士さんに仲裁の相談や家庭裁判所への遺産分割調停の申し立てということになります。
こうなってくると、残念ながら私どもでお手伝いできることはなくなってきます。
遺産分割協議が難航すると心労が絶えず、大きな負担になると思いますので、ご遺族のために財産の分割について遺言で残しておくのは良いことだと思います。
次回は、どのような人が遺言書を残した方がよいのか、まとめてみたいと思います。